ドアを引くだけで右肩が痛む、腕を上げる途中も痛い
引くタイプのドアノブを引くとき、重い引き出しを開けるとき、右腕を前から上げる途中、右手で左肩を触ろうとするとき――そのたびに右肩に痛みが出る。じっとしていても右肩にずっと重たい感じがある。そんな状態が1か月ほど続いていた50代の主婦の方が来院されました。
なお、腕を上まで上げ切ってしまえば痛みはないとのことで、「途中だけ痛い」という点が特徴的でした。
来院までの経緯と対処方法
「猫背になっているのが原因ではないか」と思い、動画で見つけた胸を張って肩を開く運動と、壁に背中と肩をくっつけるストレッチを毎日続けていたそうです。ただ、続けていても痛みには良い変化が出なかったとのことでした。
当院での原因の判断と施術内容
来院時に動作を確認したところ、いくつかの筋肉の緊張が肩の症状に関わっていることがわかりました。
- 腹斜筋(ふくしゃきん)の緊張が、腕を上げる際に肩まわりに余分な力を生んでいた
- 左肩を触ろうとする動作では、腹斜筋に加えて大胸筋上部(だいきょうきんじょうぶ)の過緊張も確認された
- 背筋・肋間筋(ろっかんきん)・背骨と肩甲骨の間の筋肉・肩甲骨と肋骨の間の筋肉の緊張が、じっとしているときの重だるさに影響していた(実際に緩めることで重さが減少)
- 本人は巻き肩だと思っていたが、実際は肩が開いて詰まっている状態だったため、肩を開く運動やストレッチは逆効果になっていた
施術では、腕を前から上げて痛みが出る瞬間に腹斜筋にも同時に緊張が入っていることが確認できました。その緊張を緩めると、腕を上げる動作での痛みが軽減しました。
左肩を触る動作での痛みも、痛みが出るタイミングで大胸筋上部に緊張が入っていることがわかり、そこを緩めることで改善しました。
肘を後ろに引く動作で出ていた痛みは、腹斜筋・背筋・肋間筋などを調整することで減少しました。
じっとしているときの重だるさについては、呼吸に合わせて肋骨の間の筋肉の緊張をほぐしていくことで軽減しました。今回、最も大きく変化が出たのは腹斜筋と大胸筋上部へのアプローチでした。
経過と現在の状態
初回施術後は良好な変化が出ました。ただし肩の痛みは戻りやすいため、施術は継続しています。次回は1週間後に予定しています。
それまでの間は、これまで続けていた肩を開く運動とストレッチをいったん止めてもらうようにお伝えしました。代わりに、腹斜筋と大胸筋を自分で緩める方法をお伝えし、自宅でも取り組んでもらうことにしました。セルフケアは実施した直後に「少し楽になった」と感じられるものだけを続けるようにとも伝えています。
まとめ――肩の痛みで悩んでいる方へ
「肩が痛いから肩をほぐす」「巻き肩だから肩を開く運動をする」という対処法は、体の実際の状態によっては症状を悪化させることがあります。今回の症例のように、腹斜筋や大胸筋といった肩から離れた場所の筋肉が、肩の動作に大きく影響しているケースは少なくありません。
自己流のストレッチや運動を続けていても改善しない場合は、まず体の状態をきちんと確認することが大切です。
ドアを引くだけで肩が痛む、腕を上げる途中で引っかかるような痛みがある、肩がずっと重だるいという方は、ぜひ一度当院にご相談ください。どの筋肉が影響しているかを丁寧に確認したうえで、あなたに合った施術を進めていきます。
「肩を開く運動をしているのに良くならない」「腕を上げるたびに途中で肩が痛い」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。痛みの出ている場所だけでなく、体全体の動きを確認したうえで根本からアプローチしていきます。

