はじめに――股関節の手術から5年、痛みが「当たり前」になっていた
5年前に受けた股関節の骨切手術(こつきりしゅじゅつ)をきっかけに、股関節まわりの痛みが日常的なものになっていたという20代の看護師の方が来院されました。
- 立って太ももを上げようとすると痛くて足が上がらない
- 手を使わずに椅子から立ち上がろうとすると腰が痛む
- 仰向けで膝を伸ばすと股関節の外側に痛みが走る
- 看護師という仕事柄、忙しい現場で突然強い痛みが出ると何もできなくなってしまうこともあった
とのことでした。
「手術した場所だから、ある程度は仕方ない」と思いながらも、5年間ずっと痛みと向き合い続けてきた方です。
来院までの経緯と対処方法
手術後からリハビリとして運動療法をしばらく継続されていたそうですが、取り組んでいるうちに疲労感は感じるものの、「良くなっている感覚はあまりない」という状態が続いていたのと、職場が変わったということでリハビリは1年ほどで行かなくなっていたとのことでした。
痛みが完全になくなるとは思っていなかったものの、仕事中に動けなくなるほどの痛みが出ることへの不安があったところ、職場の先輩からすすめられて当院に来院されました。
当院での原因の判断と施術内容
来院時に股関節まわりの状態を確認したところ、触った感触から大転子(だいてんし)の角度が左右で大きく異なっていました。手術の影響がある可能性は否定できませんが、それだけが原因とは言い切れない状態でした。
- 大腿直筋(だいたいちょっきん)・梨状筋(りじょうきん)・中臀筋(ちゅうでんきん)・腸腰筋(ちょうようきん)・腹斜筋(ふくしゃきん)など、複数の筋肉が股関節の動作をかばうように働いていた
- その結果、股関節の動き全体が不自然なパターンになっており、特定の動作のたびに痛みが出やすくなっていた
- 手術の影響は下地としてあるものの、筋肉のかばい動作が重なっていたことが痛みを長引かせていた大きな要因と判断
施術では、股関節の動作をかばっていた筋肉を一つひとつ緩めながら、正常な動きを少しずつ引き出していきました。仰向けで足をまっすぐ伸ばせるようにする、足を伸ばした状態でつま先を外に広げられるようにする、足を伸ばしたまま持ち上げられるようにする、という順番で動作の幅を広げていきました。
椅子から立ち上がる際の腰の痛みについては、骨盤の内側にある腸腰筋を中心に緩めることで改善を図りました。
施術のペースは、はじめの段階では週2回、痛みが落ち着いてきたら週1回、さらに状態が安定してきた現在は2週間に1回のペースで継続しています。
経過と現在の状態
施術を始めてから1〜2か月ほどで、日常の動作が少しずつ楽になっていきました。半年後には仕事中に出ていた強い痛みが半分ほどに減り、「動けなくなる」という状態が起きにくくなってきたとのことです。
来院から1年が経った現在は、長時間の座り仕事や重い荷物の運搬など負荷が大きい動作では股関節や腰に痛みが出ることはありますが、休めばきちんと回復する状態になっています。この残った痛みをさらに減らしていくため、現在も2週間に1回のペースで施術を続けています。
まとめ――手術後の痛みが長く続いている方へ
「手術したから痛みが残るのは当然」「リハビリを続けているのになかなか良くならない」と感じている方は、周囲の筋肉が股関節をかばい続けていることが、回復を妨げている原因の一つかもしれません。
今回の症例のように、手術後の影響がある場合でも、かばい動作をしている筋肉にアプローチすることで日常動作の痛みを減らしていける可能性があります。
手術後の股関節や腰の痛みが長く続いている方、仕事中の痛みに不安を感じている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。体の状態を丁寧に確認したうえで、あなたのペースに合った施術を進めていきます。
「手術後も痛みが続いている」「リハビリをしているのに改善している実感がない」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。手術後の体の状態を丁寧に確認しながら、無理のないペースで施術を進めていきます。

