歩くと股関節がゴキゴキ鳴り、太ももの前が痛くなって10分以上歩けない
左足に体重をかけるとゴキゴキと音が鳴る。10分以上歩くと左足が疲れてきて、そのまま歩き続けると左太ももの前面・付け根あたりに痛みが出てくる。階段をスムーズに降りることもできない――そんな状態が1年ほど続いていた50代の女性が来院されました。
仕事をしながらなんとかごまかしごまかし過ごしていましたが、歩くことへの不安が少しずつ大きくなっていたとのことでした。
来院までの経緯と対処方法
来院の3か月前に、太ももの前側の痛みがひどくなったため病院を受診しました。検査の結果、「臼蓋形成不全(股関節を覆う溝が浅い状態)のためではないか」と説明されました。現時点では手術は不要だが、将来的にさらに痛みがひどくなれば手術が必要になる可能性があるとも言われたとのことでした。
とりあえずストレッチで柔軟性をつけておくよう勧められ、教わったストレッチを続けていましたが、太ももの前の痛みにはほとんど変化がなかったといいます。そのような状況の中で当院を知り、ご相談くださいました。
当院での原因の判断と施術内容
来院時にまず確認したのは、「臼蓋形成不全が本当に今の痛みの原因なのか」という点でした。臼蓋形成不全は生まれつき骨の形が浅い状態であり、もしそれが痛みの主因であれば子どもの頃からずっと痛みがあるはずです。1年前から急に症状が出てきたという経緯からも、別の原因を疑う必要があると判断しました。
実際に動作を確認したところ、左股関節の可動域が極端に少なくなっていました。仰向けで左ひざを曲げて太ももをお腹に近づける動作をしてもらうと、左足をほんの少し浮かせただけで右足も一緒に動いてしまいます。左右の股関節が独立して動けていない状態で、立った姿勢で太ももを上げようとしても左太ももはほとんど上がらず、頑張って上げようとすると股関節の骨頭が後方・上方に引きつく動きになり、太ももの前側に痛みが出ていました。
- 腸腰筋(ちょうようきん)の疲労・機能低下が最も大きく関与
- 中臀筋(ちゅうでんきん)・梨状筋(りじょうきん)の疲労も重なっていた
- 施術を進める中で、左の横隔膜(おうかくまく)の緊張も股関節の動きに影響していることが判明
施術はいくつかの段階に分けて進めていきました。
はじめは腸腰筋・中臀筋・梨状筋の緊張を緩めることに集中し、筋肉が少し緩んできたところで実際に股関節を動かしながら、動作中に生じる強い緊張をその都度緩めていく施術に移行しました。この段階で平地の歩行時の痛みが出なくなってきたとのことでした。
平地の歩行が安定してきてからは、階段の上り動作で後半に太ももの前が痛むという症状が残ったため、可動域をさらに広げる施術を続けました。このとき横隔膜を緩める施術を加えたことで、股関節の可動域が大きく広がり、階段の上り動作の痛みも改善していきました。ゴリゴリという音もこのあたりからほとんどしなくなったそうです。
その後、「長く座ってから立ち上がると股関節まわりが固まって動きが悪い」という気になる症状が出てきたため、腸腰筋の中でも特に深い部分にある腸骨筋(ちょうこつきん)をしっかりと緩めていくことで、この症状も改善していきました。
施術のペースは、最初の9回を週1回、その後2週間に1回を6回、3週間に1回を5回と段階的に間隔を広げていきました。現在は月1回のメンテナンスで通っていただいています。
経過と現在の状態
初回施術後から、熱心にセルフケアに取り組んでくださる方でした。自宅に帰るたびに着実に改善が見られ、来院時に確認するたびに前回より状態が良くなっていました。
その結果、施術を重ねるにつれて股関節の動きは見違えるほど改善していきました。初回来院時の状態と比較すると、まるで別の方の足のように動けるようになっています。
まとめ――臼蓋形成不全と言われた方、股関節の動きが悪い方へ
「臼蓋形成不全だから仕方ない」「将来は手術しかない」と言われても、今の痛みが本当に骨の形だけが原因とは限りません。今回の症例のように、腸腰筋・中臀筋・梨状筋・横隔膜といった筋肉の疲労と機能低下が重なって、股関節の動きを大きく制限しているケースがあります。
歩くと股関節がゴキゴキ鳴る、長く歩けない、階段の上り下りがつらい、という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。股関節の動きを丁寧に確認したうえで、あなたのペースに合った施術を進めていきます。
「臼蓋形成不全と言われて不安」「歩くと股関節が痛くてつらい」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。骨の形の問題だけとは限りません。筋肉の状態を丁寧に確認したうえで、あなたに合った施術を進めていきます。

